2013年9月11日水曜日

鎌田浩毅「京大教授の伝える技術」、PHP新書

人にうまく話を通すには、価値観を合わせることが必要だというのが、この本の最初に書かれている。自分の価値観でものを考えるのではない。また、理論的にこれでいいはずだというようにも考えない。相手がどのように考えるのかということを考えて話をすると通じるということらしい。
京大教授の地震学者という堅い肩書きとは無縁な、とても柔らかい印象の本である。序章から、「生き方の旗印」には四つあって、「安楽志向型」、「王様型」、「気配り型」、「主導権型」というのが出てくる。こういう形が出てくれば、自分がどの型なのか、自然に考えるだろう。
対人関係をよくするためのノウハウがとても詳しく書かれている。受講生が山ほど押し掛ける人気教授になったらしい。それは、この本のカバーにもつけられている、ご本人の写真を見ると、納得がいく。真っ赤なシャツにジーンズの上着、ものすごく派手なネクタイ。こういう形を自ら見つけたというところがこの著者の立派なところだろう。

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