2011年11月12日土曜日

林望「思想する住宅」,東欧経済新報社

家は断然北向きがいい
和室など不要
というから,どんなショッキングなことが書かれているのかと思ったら,この著者らしい,「住むため」の家の理想が書かれていた。日本の家が,南向きに建っていて,それぞれの家が勝手気ままに建てていることを,イギリスのそれとの比較で,(もちろんこの著者のことだから,イギリスの建て方に味方している)書いている。そういう理想をそのまま追求できている著者がある意味うらやましい。
 マンション生活を余儀なくされている私にとって,今後,どういう家に住むのかということは大きな問題であるが,それに全力を傾注するほど,家のことに時間と金をつぎ込みたくないという無精な心もある。

2011年11月9日水曜日

池波正太郎「新編 男の作法」,サンマーク文庫

これは,池波氏がどこかの本で書いてきたことを,編集者がピックアップして解説している本である。道理で,どこかで読んだような文章が多いなあと思った。目次がよい。たとえば,「本はたくさん読んでいくうちにね,おのずから読み方というものが会得できるんですよ。」-本- といった具合だ。あとから思い出したり,もう一度読むのにいい。

林望「臨終力」,ベスト新書

この作家は,それこそ「青春物」的なものを書いていた頃からのファンであり,このタイトルをみてぎょっとした。人生終盤を迎える頃から死ぬときまでの心構えが書かれている。
この人は,もう自分のことを老人と言っている。私よりも7才年配だが,少し早くないか?それとも,還暦を迎えるとそういう気持ちになるのかしらん?
暗い気持ちにはならなかった。60才前の私の今の年齢が人生の最後の最盛期であることを感じた。