2011年4月27日水曜日

曽野綾子「自分の始末」,扶桑社新書

なんだか遺書のようなタイトルの本である.この本は,曽野さんが今までに本などに書いてきた文で,重要な部分を抜き出して,まるで,論語あるいは座右の格言集のような形でまとめられたものである.もちろん,自分自身が書いたものを自分でまとめられたものである.
この女性の主張は非常にストレートである.何でもやる.ただし,全部自己責任.実力,パワーがあるからこそできるのだろう.
私が旅先で病気をしないこつは,少しだけ利己主義な生き方をしているからだ.人がお酒を飲んでいるときでも「お休み」といってさっさと寝てしまい,「つきあいの悪いやつだ」と思われようが,「あの人も年取った」と言われようが,全く意にもとめずに,自分のペースを守っている.私はもう若い時から夜は早く寝て朝は夜明けと共に活動を始める野生動物型なのである.(p.206)
こういう,非社会活動的な要素を含まない部分での主張を見ると,この人の本質がわかるような気がして,共感できる.

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