2010年1月24日日曜日

藤原正彦「国家の品格」,新潮新書

昔斜め読みしましたが,もう一度取り出して,読み直してみました.

論理の限界を自覚し,情緒と形を重視する姿勢は,自由と民主主義をも疑ってかかっておられます.
これは,一見,暴論とも思え,誤解を生む元とも考えられますが,これを書いたのは,米国や英国で長く生活経験があって,数学の教授である著者です.論理も百も承知,自由と民主主義も,いったんはあこがれを持ち,アメリカ帰りの時代には,アメリカに染まっていた人(失礼な書き方ですみません)です.しかし,イギリスに行って,それが変わったのです.そういう人の書いた物として注意深く読むと,その意図していることがかなりきれいに見えてきます.

誤解,さらには曲解をする人には読んでほしくない.そして,どんな話でも,心を開いて聞く心構えのある人には是非読んでほしい,そういう感じを持ちました.

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