2014年2月10日月曜日

藤原正彦「名著講義」,文藝春秋

言わずと知れたお茶の水の先生の単行本.出版されたのは2009年末だから,4年前の出版だが,いままでほとんど読まずに積んでいたのを,このほど取り出して読んでみた.

毎週文庫本を1冊ずつ課題に出し,読んできたその本について,教授と学生の間でいろいろとディスカッションをするというゼミの様子を本にしたものである.今で言う「反転学習」の先駆的なものか.

本は,古き時代の日本を紹介し,日本人とは何か,日本人とはこんなにすばらしい民族だということを誇示するような本が並んでいる.挙げてみると,
武士道
余は如何にして基督信徒となりし乎
学問のすすめ
新版 きけ わだつみのこえ
逝きし世の面影
武家の女性
代表人日本人
山びこ学校
忘れられた日本人
東京に暮らす
福翁自伝
若き数学者のアメリカから郷愁へ
となっている.最後のものは藤原氏自身の本である.
昔の日本人が書いたものを直接読むということは,語り部の話を聞くようで,大変心にしみる.日本人の特性で,我々が忘れている特質を思い出させてくれ,それがまた自信につながるような仕組みとなっている.当時の外国人から見た日本・日本人のものも含まれており,日本人がいかにすばらしい人々なのかを教えてくれる.

この本を読んで,学生がしっかりと予習をしてきているからできるということ,また,その本の主張にご自身の主張を重ね合わせて学生にしっかりと日本人教育をしているところに感動を覚えた.

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