2013年6月13日木曜日

曾野綾子「生きる姿勢」,河出書房新社

いつもながら,なかなか厳しい持論をお持ちである.
足から伝わる温度や感触もなく,背骨に堪える重力的な苦痛もないと,小説の題材は,どうしても抽象的,かつ異次元の体験だというものに傾きがちになる.・・・(p.208)
これは,研究についても言える.だから,私は,実際的なものを研究している.そのことを誇りに思っている.
自分で食べ物を得て,調理すること.水を確保すること.暑さ寒さを防ぐこと.敵から自分の身を守ること.食うために稼ぐこと.子供を育てること.それらの力を,自力で基本的な部分だけ確保することが必要だと思わない人が増えたのである.
全く同感.ただ,自分自身,出来ていないこともあるが,それは自分自身,良しとしていない.上記のようなことを人に頼るのが当たり前で,それをしてもらわなかったら不平不満を言う人は私の信条に反する.

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