2012年11月3日土曜日

孫崎享「日本の国境問題」、ちくま新書

この種の話の本を読むときには、著者がどういう人かということが何よりポイントであろう。この孫崎氏は、多くの国の大使を歴任後、防衛大学校教授を経て、退官されている。「現場」を経験している人なので、ある意味、安心して読むことができた(それ以上、この人のことについては、私は知らない)。
この人の話を読むと、国際関係では、明文化されていない、今までの経緯がいろいろあって、それを踏まえてバランスが取れていることがわかる。そこを知らずに政治をすると、とんでもない損をしたり、相手を怒らせたりすることがあるということらしい。そういう意味では、現政権が、どうも過去の経緯をあまり踏まえていないような印象がある。
決して相手の味方ではないが、こういう問題における立ち位置をどのように置く必要があるのか、日本は今後どうなるのか、ということについて現在のままではまずいという警鐘を鳴らしている本であると思う。

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