2012年4月8日日曜日

岸本葉子「ブータンしあわせ旅ノート」、角川文庫

国宝夫妻の来日以来、ブータンは私にとっても親近感のある、興味のある国である。国民の幸福感が非常に高いと聞く。著者は、ブータンに個人旅行で行ったときの話をこの本にまとめている。
幸福感が、いわゆる生活レベルが高いということとは全く異なるということは、読む前から予想していた。しかし、不便な生活に不満を持っていたら、幸福感は生まれないだろう。いったい、どういう社会なのか、非常に私も興味がある。
ブータンでは、人は静かと言っている。日本人と同じく、気遣いがすごいみたいだ。顔も日本人と似ている。ただ、著者は日本人に対して、大きな不満を持っている。他人同士があまりにも無関係で思いやりが失われている日本に対して、黙っていられないという点が、終わりのほうを読むとわかる。 日本の若い人が、外国の家庭に滞在して、うるるんとして帰るというのは、ほほえましいというよりも、そういう感動が全くなくなっている今の日本が少しおかしいのではないか?と私は思っている。

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