2010年9月26日日曜日

藤原正彦「おおいなる暗愚」、新潮社

普段あまり単行本は買わないが、何人か、あまり考えずに買う人がある。それは、この藤原正彦や、林望などである。
最近この人のものはジョークが多くなってきて、それを知らない人は、ナルシストと思うかもしれないが、そういうわけではない。
いろいろな身近なテーマが、歯に衣を着せずに手短にしかもわかりやすく書かれており、なるほどと思う部分も多い。「愚かしき官僚叩き」は、いま流行りの政治主導に異論を唱えている。

政治家は官叩きに走るより、官僚の無法な天下りや優秀なものにありがちな狡猾傲慢を厳しく警戒しつつ、ポピュラリズムとは無縁な官僚を知恵袋として、共に手を携え国に奉仕してほしい。優秀な人材はどの国においても数が限られており貴重だ。叩き潰す余裕などないのだ。(p.171)

同感だ。また、最近の日本の外交の問題点も、ことが起こる前から的確に捉えている。

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