2010年7月7日水曜日

アルボムッレ・スマナサーラ「怒らないこと 役立つ初期仏教法話1」サンガ新書

「私は男だ」「若いのだ」「中年だ」「老人だ」「私は課長だ」「社長だ」「部長だ」。よく考えて見れば、ぜんぶたいしたことではないでしょう?(p.54)
そのとおり。そして、修行をしている人は、そういう悟りの境地(というほどでもないかもしれないが)に達している人もある。しかし、凡人は、ある程度、物資に恵まれていないと、なかなか難しいような気もする。逆に、凡人であっても、ある程度「物」に恵まれれば、達成可能なレベルのようにも思われる。
残念なのは、今の社会では、それほどの貧困ではないのに、こういうことに拘っている人が多いような感じもある。ものに拘る生活をある程度したら(そういう生活をせずにいきなりこういう気持ちになれればすばらしいが)、早く、達観できるようになることが幸せにつながるのかもしれない。などということを感じた。
おっと、この本のテーマは「怒らないこと」だ。悪いことをした人に怒らない。ではどうするか?これが難しいと思っていたら、この本に答えがあった。「無視する」ことらしい。なるほど・・・

熊田忠雄「そこに日本人がいた!」新潮文庫

その地に初めて渡った(あるいはそれに近い)日本人のことが書かれている。日本人も、昔は勇敢だったと思うと同時に、現状がなさけなく感じられる。
商売、売春、たまたま流れ着いた、等々理由はいろいろであるが、辞書すらろくになかっただろう時代に、着物姿で渡った日本人のたくましさが感じられる。

一通り読んだが、何度も読み返したいと思う本である。

2010年6月25日金曜日

内田百閒「第一阿房列車」,新潮文庫

岡山に住みながら,内田百閒のことを何も知らなかった.彼が随筆家であったことさえ知らなかった.
我ながら,「阿房」であると思う.
訥々として,融通の利かない堅物のような印象を受けた.

用事がないのに出かけるのだから,三等や二等には乗りたくない.汽車の中では一等が一番いい.私は五十になった時分から,これからは一等でなければ乗らないと決めた.

こういう文章で始まるこの本,何だか面白そうな印象ですよね.その印象は私にとっては多少裏切られるのですが,こういう旅行,是非ともしてみたいと思うことは確かです.

2010年6月7日月曜日

中島義道「エゴイスト入門」、新潮文庫

この本は、タイトルを見て買ったのではない。この著者だから買ったのだ。たいてい読んでいる。日本人的な感覚でいうと、確かにすごいエゴイストであろう。

みんなと同じように感じ、みんなと同じように怒ることはとても簡単なことだ、だからほとんど価値のないものだ、いやそれ自体害を及ぼすものだ、ということである(p.174)。

この一節の意味が知りたい人は、中島氏の書物を読むとよい。

2010年6月6日日曜日

太田和彦「超・居酒屋入門」、新潮文庫

この人の本を2・3冊読んだせいで、居酒屋に対する認識が変わった。これからは、一人で出張の際には、ぜひとも居酒屋を探訪してみたいと思うようになった。

池波正太郎「食卓の情景」、新潮文庫

こういう老人の話は、私には何のためにもならないように思う。だけども、こういう本が書ける老人になることにはあこがれがある。

中島義道、小浜逸郎「やっぱり人はわかりあえない」、PHP新書

中島義道先生の哲学は、私も賛同する部分が多々あり、本もたくさん読んでいるので、これを見るまでもなく、どういう話かわかる。一方、小浜氏というのはこの対談(書簡のやりとり)を見て初めて知った。
小浜さんのほうがまっとうにも思えるが、もともと、大上段に哲学を論じるのは私は嫌いなので、斜に構えている中島さんのほうに共感を覚える。ただし、中島さんは、そういう共感を覚えたりされることが嫌いらしいので、どのようにしたらよいのかわからないが。
ともかく、哲学者の議論には入れないし入りたくもない。