我ながら,「阿房」であると思う.
訥々として,融通の利かない堅物のような印象を受けた.
用事がないのに出かけるのだから,三等や二等には乗りたくない.汽車の中では一等が一番いい.私は五十になった時分から,これからは一等でなければ乗らないと決めた.
こういう文章で始まるこの本,何だか面白そうな印象ですよね.その印象は私にとっては多少裏切られるのですが,こういう旅行,是非ともしてみたいと思うことは確かです.
用事がないのに出かけるのだから,三等や二等には乗りたくない.汽車の中では一等が一番いい.私は五十になった時分から,これからは一等でなければ乗らないと決めた.
みんなと同じように感じ、みんなと同じように怒ることはとても簡単なことだ、だからほとんど価値のないものだ、いやそれ自体害を及ぼすものだ、ということである(p.174)。