2012年4月9日月曜日

向田邦子原作「きんぎょ」、文春文庫

この本は、向田邦子の放送台本を、別の人が小説化したものだそうである。道理で、すごく物語性があると思った。3つ話があるが、親子や恋愛といったテーマが、憎いほど生き生きと描かれている。

2012年4月8日日曜日

岸本葉子「ブータンしあわせ旅ノート」、角川文庫

国宝夫妻の来日以来、ブータンは私にとっても親近感のある、興味のある国である。国民の幸福感が非常に高いと聞く。著者は、ブータンに個人旅行で行ったときの話をこの本にまとめている。
幸福感が、いわゆる生活レベルが高いということとは全く異なるということは、読む前から予想していた。しかし、不便な生活に不満を持っていたら、幸福感は生まれないだろう。いったい、どういう社会なのか、非常に私も興味がある。
ブータンでは、人は静かと言っている。日本人と同じく、気遣いがすごいみたいだ。顔も日本人と似ている。ただ、著者は日本人に対して、大きな不満を持っている。他人同士があまりにも無関係で思いやりが失われている日本に対して、黙っていられないという点が、終わりのほうを読むとわかる。 日本の若い人が、外国の家庭に滞在して、うるるんとして帰るというのは、ほほえましいというよりも、そういう感動が全くなくなっている今の日本が少しおかしいのではないか?と私は思っている。

2012年3月23日金曜日

阿川弘之「言葉と礼節」文春文庫

座談集である.座談の相手は,
  • 三浦朱門
  • 藤原正彦
  • 村上龍,阿川佐和子
  • 大久保房男
  • 半藤一利
  • 原武史
  • 半藤一利,養老孟司
である.いつもながら,言葉の部分に興味を持った.

  • 生きざま
  • こだわり
  • 癒やし
  • させていただきます
  • じゃないですか

などがめった切りである.大変愉快.私の嫌いな言葉とぴったり一致する.あとは,言葉ばかりではなく,むしろ,歴史的なことをいろいろと教えてくれる.日本人としての自信を抱かせてくれる本である.

2012年3月18日日曜日

「美しい日本語と正しい敬語が身に付く本」、日経おとなのOFF

私は言葉の使い方は学生にうるさく言ってきたのだが、私自身、意識していなかった言葉の誤った使い方がたくさん示されている。この際、言葉に徹底的にうるさくなれるよう、勉強しようかなとも思う。

2012年3月10日土曜日

酒井順子「女も、不況?」講談社文庫

この人の文章は読みやすい。どんどん頭に入ってくる。「負け犬」で有名な彼女だが、その目は確か。男の私から見ても、確かに女性はそういう風にいうよね、というところを素直についている。
女たちの代表みたいなスタンスで書いていながら、いやな感じは全然しない。ある意味、私はこの人の筆に惚れているのかもしれない。

2012年3月9日金曜日

適菜収「世界一退屈な授業」星海社新書

内村鑑三、新渡戸稲造、福沢諭吉、柳田国男、西田幾多郎のメッセージを、若い読者たちのために編纂した本である。この本のタイトルは、もちろん「皮肉」である。いまの若い読者たちがまず思う「世界一退屈な授業」に属する範疇の話であるが、作者はもちろんこの内容を非常に重要なものと思っている。
本のタイトルや中の作りが少々奇をてらいすぎており、残念である。もっと普通に作ったら、よい本だということになるのに、残念に思った。

土光敏夫「信念の言葉」PHP研究所

私のいま住んでいる岡山出身の著名人である。空港で出発待ちの時に購入して読んでみた。
「めざし」が有名だが、この人の質素な生活の本質は私にもわかるような気がする。そもそも、忙しくなったらくだらないことにお金を使って、神経を使っている暇などない。
この本がめざしに終始しているのではない。むしろ、トップに立つ人の心構えがてんこ盛りの本である。いろいろな意味で人の上に立つ人は一度は目をとおす価値のある本である。