2011年6月11日土曜日

石英輔「江戸人と歩く東海道五十三次」,新潮文庫

旅籠と木賃宿の違いを知った。考えてみたら、そういうことを何も知らなかったことを自覚した。
江戸時代、多くの人が伊勢参りに行っていたらしい。私の古里は山口だが、そんなところからも、伊勢に行っていたのだろうか。残念ながら、山陽道については何も書かれていないが、遠い昔のことに思いを馳せることができた一冊であった。

2011年5月29日日曜日

呉善花「私は、いかにして「日本信徒」となったか」、WAC

韓国済州島ご出身の著者が、留学生として日本に来てから、いろいろと思い悩み、日本と韓国について考え抜いて、拓殖大学で教授となり、日本に帰化した現在までの間の心の変遷や葛藤が述べられている。実際に体験しての話だから、非常にリアリティがあり、よくわかる。
今後は、日本復興に尽くし、新しい日韓の関係が構築されることを期待すると結ばれている。実現を祈りたい。

2011年5月23日月曜日

小泉武夫「不味い!」、新潮文庫

不味いものの解説であるが、当然、それの裏には著者がうまいと感じるものが書かれている。
福島県のご出身の教授で、魚が大好きとなれば、今回の原発事故で、おいしい魚が食べられなくなったのではと大変心配になる。この人は、蛇でも何でも、とにかく食べているところがすごい。この人の写真を見ると大層グルメと思われるが(意味、わかるよね?)、私もうまい物好きだから、思いっきり没入できる。
しばらくこの人の本に虜になりそうだ。

2011年5月8日日曜日

三浦朱門「「老い」を愉しめる生き方」、WAC

奥様の曾野綾子は何冊か読んでいるし、その気持ちよいストレートさが好きだ。そこで、書店に平積みされていた、ご主人のほうもちょっと読んでみることにした。
ご主人のほうは、柔らかい感じがする。それは、奥様の影響もあるのかなと思った。自分を無理して大きく見せようとせず、好きなことをやって老いを楽しむというのがこの本の趣旨である。
老後の世界については、この頃少し考えることがあるが、まだ少し先のこととして、今は今のことに懸命に生きたいと感じた。

2011年4月30日土曜日

酒井順子「いつから、中年?」,講談社文庫

歯に衣を着せぬ,女性らしい感覚の随筆をお書きになる酒井順子さん.
私よりちょうど10歳年下で,独身.私とは明らかに視点が違うものの見方を知ることができ,この人の本は楽しめます.

2011年4月27日水曜日

八幡和郎「本当は誰が一番?この国の首相たち」,ソフトバンク新書

終戦後のすべての首相(東久邇宮から菅まで)について,10点満点の点数付きで詳細にコメントしている,画期的?な本である.
思った通り低い評価の人,意外に持ち上げている人,国民には高い人気があったがこの本では非常に低い評価の人と,さまざまである.私は,評価をする知識を十分に持ち合わせていないので,それについてコメントすることは控えるが,私も物心ついて最初に覚えているのが池田勇人だから,24人の総理を経験しており,このコメントを見るのは興味深い.

曽野綾子「自分の始末」,扶桑社新書

なんだか遺書のようなタイトルの本である.この本は,曽野さんが今までに本などに書いてきた文で,重要な部分を抜き出して,まるで,論語あるいは座右の格言集のような形でまとめられたものである.もちろん,自分自身が書いたものを自分でまとめられたものである.
この女性の主張は非常にストレートである.何でもやる.ただし,全部自己責任.実力,パワーがあるからこそできるのだろう.
私が旅先で病気をしないこつは,少しだけ利己主義な生き方をしているからだ.人がお酒を飲んでいるときでも「お休み」といってさっさと寝てしまい,「つきあいの悪いやつだ」と思われようが,「あの人も年取った」と言われようが,全く意にもとめずに,自分のペースを守っている.私はもう若い時から夜は早く寝て朝は夜明けと共に活動を始める野生動物型なのである.(p.206)
こういう,非社会活動的な要素を含まない部分での主張を見ると,この人の本質がわかるような気がして,共感できる.